いや〜、寒い季節になりましたね。
特に今年に限っては夏があった後、秋を経過せずに冬に移行した気がします。将棋で言えば序盤からいきなり終盤戦に移行した感じです。
一体今年の秋はどこへ行ったのか、謎です。
あ、今回は第一種の過誤と第二種の過誤ですよ。
有意水準
検定において帰無仮説を設定したときに、その帰無仮説を棄却する基準となる確率のこと。
危険率とも言う。
検定を行う前に設定する必要がある。
検出力
有意水準と対するもので、帰無仮説が正しくない時に、正しく帰無仮説を棄却する確率のこと。
第1種の過誤
第2種の過誤
対立仮説が正しいのに採択されないこと
有意水準と第1種の過誤
仮に有意水準を5%と仮定すると、値が5%以下となったとしても本当に偶然稀な事象が起こった場合もあります。
そのため、有意水準は本当は帰無仮説が正しいのに、誤って帰無仮説を棄却してしまう確率とも言えます。
この帰無仮説が正しいのに帰無仮説を棄却してしまうことを第1種の過誤と言います。
検出力と第2種の過誤
検出力は帰無仮説が正しくないときに正しく帰無仮説を棄却する確率で、第2種の過誤は対立仮説が正しいときに誤って帰無仮説を棄却しないことです。
第1種の過誤と第2種の過誤
色々書きましたが、表にすると以下のようになります。
真実 | |||
---|---|---|---|
帰無仮説が正しい | 対立仮説が正しい | ||
検定の結果 | 帰無仮説を棄却しない | 正しい | 第2種の過誤 |
帰無仮説を棄却する | 第1種の過誤 (有意水準) | 正しい (検出力) |
もう少しわかりやすく考えてみましょう。
ある犯罪を犯した容疑者の裁判を例(統計Web様より拝借)にします。帰無仮説は「この容疑者は無罪である」です。
真実 | |||
---|---|---|---|
本当は無罪 | 本当は有罪 | ||
裁判の結果 | 無罪と判決 | 正しい | 第2種の過誤 |
有罪と判決 | 第1種の過誤 | 正しい |
さて、この表を元に考えると第1種の過誤と第2種の過誤、どちらも低い方がいいと直感的にわかります。しかし、両者はトレード・オフの関係になっているため、同時に低くすることは不可能です。そのため、両者のバランスを取ることが重要になります。
第1種の過誤と第2種の過誤の例
帰無仮説:新薬は既存の薬と同じくらいの効果がある 対立仮説:新薬は既存の薬と同じくらいの効果がない(既存の薬よりも効果が高い、もしくは低い)
第1種の過誤:
本当は、新薬は既存の薬と同じくらいの効果があるが、同じくらいの効果はないと結論付けられる
第2種の過誤:
本当は、新薬は既存の薬と同じくらいの効はないが、同じくらいの効果があると結論づけられる
まとめ
用語 | 意味 |
---|---|
有意水準 | 検定において帰無仮説を設定したときに、その帰無仮説を棄却する基準となる確率のこと |
検出力 | 有意水準と対するもので、帰無仮説が正しくない時に、正しく帰無仮説を棄却する確率のこと |
第一種の過誤 | 帰無仮説が正しいのに帰無仮説を棄却してしまうこと |
第二種の過誤 | 対立仮説が正しいのに採択されないこと |
第1種の過誤と第2種の過誤について
真実 | |||
---|---|---|---|
帰無仮説が正しい | 対立仮説が正しい | ||
検定の結果 | 帰無仮説を棄却しない | 正しい | 第2種の過誤 |
帰無仮説を棄却する | 第1種の過誤 (有意水準) | 正しい (検出力) |