とあるお兄さんの雑記

基本的に技術系の内容を書きますが、何を書くかは私の気分です。

統計学番外編~研究デザイン~

この記事で紹介する内容は、常識的な生活を送っている限りは基本的にあまり出てきません。そのため、そこまで詳しい説明を行いません。

実験研究

研究対象に対して何らかの介入(投薬や治療)を行い、その結果を検証するための研究デザインのこと。

ランダム化比較実験(前向き研究)

実験群と対象群への割り付けをランダムに行い、介入の効果を調べる研究。バイアスの出現率が理論上では等確率になる。

クロスオーバー試験(前向き研究)

対象者を実験群、対象群の2群に分けて介入を行い、比較を行う。その後、一定の期間をあけてから実験群と対象群を入れ替えて、再度介入を行い比較を行う。

観察研究

研究対象に対して介入を行わず、観察によってデータを集め解析を行う研究デザイン。

横断研究

ある1時点において断面的調査を行い、要因と結果の関連を調べる研究。過去にさかのぼった調査や、未来に向かって調査を行うことはない。

例. 年齢と視力の関連に興味がある場合に、様々な年齢の人に対して視力検査を行う。

コホート研究(前向き/後ろ向き研究)

異なる特性を持つ対象集団(コホート)において、ある特性を持つ暴露群がある群と無い群にわけ、時間の流れに沿って疾患の発生や改善などを観察し、その特性/暴露と疾患との関係を調べる研究のこと。

ケースコントロール研究(症例対照研究(後ろ向き研究))

ある病気に罹患している群と対象群に対して、その病気に対して、病気の特性/暴露の有無との関係を調べる研究のこと。
発生頻度が稀な研究に対して広く使われる。

コラム:前向き研究と後ろ向き研究の違い

コホート:異なる特性を持つ複数の患者群

前向き研究:コホートを設定した後で、未来に向かって対象疾患がどのくらいの頻度で発生するかを観察する方法。(現在から未来にかけての研究)
後ろ向き研究:既に対象疾患が発生している患者集団について、過去のある時点でのコホートを同定し、現在に向かって各コホートでの罹患率を調べる方法。(過去から現在にかけての研究)